○小松島市議会ハラスメント防止条例

令和6年3月27日

条例第20号

ハラスメントは人権に関わる問題であり,職員の個人としての人格や尊厳を不当に傷つけ,職場環境の悪化や業務への支障を招く決して許されない行為である。

小松島市議会及び小松島市議会議員は,小松島市議会基本条例(平成21年小松島市条例第15号)第8条に定める執行機関と議会の緊張関係を保ちつつも,全ての職員の人格と尊厳を尊重し,接することで互いの信頼関係を構築するとともに,議員としての品位と名誉を重んじ,ハラスメントのない健全な職場環境を作るため,この条例を制定する。

(目的)

第1条 この条例は,議員による職員に対するハラスメントを根絶し,及び未然に防止することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において次の各号に掲げる用語の意義は,当該各号に定めるところによる。

(1) 職員 市長(公営企業を含む。),教育委員会,選挙管理委員会,公平委員会,農業委員会,固定資産評価審査委員会,監査委員若しくは消防長において任用され,又はこれらの執行機関若しくはその補助機関の業務を行う全ての職員をいう。

(2) ハラスメント 次に掲げる行為をいう。

 職務上の地位,権限又は優位性を背景に,業務上の適正な範囲を超えて,相手に精神的又は身体的な苦痛を与える行為

 性別,性的指向又は性自認にかかわらず,相手の意に反する性的な言動であって,相手に対して不快感を与えたり傷つけたりする行為

 妊娠,出産,育児,介護等に関する言動であって,相手に対して精神的又は身体的な苦痛を与える行為

 その他言葉,行為等により相手を傷つけ,苦痛を与える行為,不快にさせる行為又は不利益を与える行為

(議長の責務)

第3条 議長は,議員によるハラスメントの防止に努めるとともに,議員によるハラスメントがあると認めるときは,迅速かつ適切に必要な措置を講じなければならない。

(議員の責務)

第4条 議員は,ハラスメントが職員の尊厳を不当に傷つけ,労働意欲を低下させ,及び勤務環境を害するものであること並びに職員が職務遂行上の対等な立場にあることを自覚し,職員の人格を尊重した活動をしなければならない。

2 議員は,ハラスメントに関する相談を行い,又はハラスメントに関する調査に協力した者に対し,当該相談を行ったこと又は当該協力を行ったことを理由としていかなる不利益な取扱いも行ってはならない。

3 議員は,当該議員によるハラスメントがあると疑われたときは,自ら誠実な態度を持って疑惑の解明に当たるとともに,その責任を明確にするよう努めなければならない。

4 議員は,他の議員がハラスメントに当たる言動を行っていると認められる事態に遭遇したときは,当該議員に対し厳に慎むべき旨を指摘するよう努めるとともに,議長に当該事態について報告しなければならない。

(アンケート調査及び研修等)

第5条 議長は,議員によるハラスメントの根絶及び防止を図るため,必要に応じて実態を把握するためのアンケート調査を実施するとともに,議員に対し必要な研修等を実施しなければならない。

(相談窓口の設置)

第6条 議長は,別に定めるところにより,議員によるハラスメントに関する相談に対応し,円滑かつ公正な解決を図るため,ハラスメント相談窓口を複数置かなければならない。

(事実関係調査)

第7条 議長は,職員又は議員から前条のハラスメント相談窓口にハラスメントがあった旨の申出があったときは,別に定めるところにより,速やかに,当該申出に係る事実関係を調査しなければならない。

(ハラスメント対策審議会)

第8条 議員によるハラスメントが行われ,又は行われたおそれのある場合に適切に対応するための措置に関し,議長の諮問に応ずるため,小松島市議会ハラスメント対策審議会(以下「審議会」という。)を置く。

2 前項に定めるもののほか,審議会の組織及び委員その他審議会に関し必要な事項については,議長が別に定める。

(公表及び措置等)

第9条 議長は,前条に規定する審議会の答申を尊重し,議員によるハラスメントの有無を確認するものとする。

2 議長は,前項により議員によるハラスメントがあったことを確認したときは,当該議員の氏名の公表その他の必要な措置を講じるものとする。

3 議長は,ハラスメントを行った議員に対して,助言,指導,注意その他必要な措置を講ずるものとする。

4 議長は,第1項により議員によるハラスメントがなかったことを確認したときは,当該議員の名誉回復のために必要な措置を講ずるものとする。

(市長からの申入れ)

第10条 議員によるハラスメント並びにこれに対する議長,議員及び議会の対応その他議員によるハラスメントに関する事項について,前文に定める目的に反し,又は反するおそれがあると認めるときは,市長は,議長に対しその改善を行うよう申し入れることができる。

2 議長は,前項の規定による申入れがあったときは,速やかにその改善のために必要な措置を講じなければならない。

(被害者等のプライバシーの保護)

第11条 議員は,議員によるハラスメントの被害者及び関係者のプライバシーの確保に十分配慮し,当該ハラスメントに関し知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。

(議長等によるハラスメントがあった場合等の取扱い)

第12条 第3条第4条第4項第7条第8条第1項第9条及び第10条の規定中のハラスメントが議長によるもの又は議長に直接の利害関係があるものである場合においてこれらの規定を適用するときは,これらの規定中「議長」とあるのは,「副議長」とする。

2 第3条第4条第4項第7条第8条第1項第9条及び第10条の規定中のハラスメントが議長及び副議長によるもの又は議長及び副議長に直接の利害関係があるものである場合においてこれらの規定を適用するときは,これらの規定中「議長」とあるのは,「当該ハラスメントの当事者に当たらない議員のうち最も年長の者」とする。

(委任)

第13条 この条例の施行に関し必要な事項は,議長が別に定める。

(施行期日)

1 この条例は,公布の日から施行する。

(検討)

2 議会は,この条例の施行後3年を経過した場合において,この条例の施行の状況について検討を加え,必要があると認めるときは,その結果に基づいて所要の措置を講じるものとする。

小松島市議会ハラスメント防止条例

令和6年3月27日 条例第20号

(令和6年3月27日施行)